プロビンチャのススメ

プロビンチャ”とは…あ、これ登録されてたわ(苦笑)。
詳しい事はリンク先を見れば詳しい事が書かれていると思いますが、
実際には内容は2つあり、
一つはトップチームの下部組織、
もう一つは、地方都市の中小のサッカーチームの事を指します。


セリエAのチームと言って思い出すチームは何でしょう。
有名どころだとACミランユベントスインテルラツィオ、ローマといった所でしょうか。
そういうチームには世界的にも有名な選手が多く、なおかつ強いのが一般的です。
そのためあまりサッカーを知らない人にも良く知られています。
自分も最初はACミランが好きでした。今も好きですけど。
ただ、それ以上の楽しみをプロビンチャに見つける事ができてから、
プロビンチャにハマり始めました。


セリエAで好きなチームは?」と聞かれたら、
今なら間違いなく「パレルモブレシア」と答えるでしょう。
そしてこの2チームが、異なった姿のプロビンチャを魅せてくれています。

なぜ“プロビンチャ”なのか?

“勝ちの味”を沢山味わいたかったら、
そのチャンスが多いトップチームを応援した方が楽です。
プロビンチャがトップチームに勝つことは至難の業です。
しかし“絶対に”勝てないという訳ではありません。
プレーする選手の技術や気力、チームの戦術などがバチッとハマった時に
トップチームから勝利を奪い取る事ができる訳です。
確かにたくさん悔しい思いはします。大差で負ける事だってあります。
でもそれを乗り越えて得た勝利、特にトップチームから得た勝利は格別です。
それを感じたいからこその“プロビンチャ”なのです。


そしてこのプロビンチャには2つのタイプが存在します。
それをこの後で説明したいと思います。

パレルモの場合〜選手の差を埋める“戦術”〜

34年ぶりに今年セリエAに昇格したパレルモ
2/3現在7位という高位置につけています。
ここは他のプロビンチャと比べて比較的資金が豊富な方ですが、
トップチームと比べると選手力は劣っています。


しかし、このチームはセリエA前半戦で
トップチーム5チーム(ミランユベントスインテルラツィオ、ローマ)相手に
1勝4分という成績を残しました。


それを埋めたのは、徹底した“戦術”であると思っています。


以前も話したと思いますが、このチームの作戦は徹底しています。
「守る時は高い所で奪取し、攻める時は前線のルカ・トニにぶっつける。」
この戦術はトップチームであろうが、他のプロビンチャであろうが
関係なく実践しています。
特にACミラン戦のそれは顕著に現れていたと思います。
他のチームはシェフチェンコクレスポトマソンといった強烈なストライカーを止めるために
低い位置で守るパターンが多いのですが、
パレルモは、そこに繋がる前の中盤でボールを奪取し、
そこで攻撃の芽を摘むという戦術が徹底されていました。
そしてボールを取ったらルカ・トニポストプレーを活かし、
ルカ・トニ自身で決める、または1.5列目にいるLam.ザウリやブリエンツァが決めるという
パターンを確立しています。


これと同様に、戦術で選手力の差を埋めたチームとしては、
2001−2002シーズンの“キエーヴォ・ヴェローナ”が挙げられます。
このシーズン、キエーヴォの最終順位は5位。
チャンピオンズリーグ出場寸前までいきました。(ちなみに4位との勝ち点差は“1”)
選手力を“戦術”で埋めたいい例だと思います。

ブレシアの場合〜ベテランと若手の化学反応を楽しむ〜

このチームはプロビンチャの中では有名な方ではないでしょうか。
昨年引退しましたが“世紀のファンタジスタ”といわれたロベルト・バッジョ
最後に在籍したチームがこのブレシアでしたから。


バッジョばかりに目が行きがちですが、このチームは若手主体のチームです。
基本的に若手の選手を育てて、育ったらトップチームに移籍させ、
その移籍金で資金を得るパターンが多いのです。


若手の選手は経験も少なく、個々の力としては非常に小さいです。
しかし、バッジョやディ・ビアッジョといったベテランの横でプレイする事で、
そのプレイに触発され、才能が開花した若手も多いです。


例えば、現ユベントスアッピアは、プロビンチャからトップチームに上り詰めてます。
また、私の好きなルカ・トニやカラッチョロなんかも、
イタリア代表に選ばれるまでに成長しました。


他の例としては今シーズンのカリアリもそうでしょう。
絶対的なベテランのジャンフランコ・ゾラと若手のコラボレーションで、
セリエA上位につけてます。
これも若手とベテランの化学反応がいい方向に出てる例でしょう。


上手くまとめ切れませんでしたが、下位チームに注目するのも面白いです。
上位チームにはない戦術や起用法、若手有望株の選手に目を付けるのもいいでしょう。
こういった面白さも味わってみてはどうでしょうか。


少なくとも自分はこれで、サッカーが何倍も面白くなりましたから。


いじょ。