今週の徳島ヴォルティス

秋葉原で友人と会いに行っている途中、携帯の速報ページを確認。
…前半終了時点でホームで0−2て。
ちょっとショックを受けつつ、秋葉のゲーセンで再度チェック。
81分で0−2変わらず。
残り時間9分+ロスタイム。この時点で2点のリードは致命的。
この時間で逆転どころか同点に追いついた所を見たのは1、2回しかない。
昨日のイラン×日本戦。
解説者が「最低30秒あれば1点は取れます」と言ってましたが、
結局追いつけずイランに負け。そんな状況だからもう完全に諦めてました。


しかし、あの厳しいJFLを戦い抜いた男達と
Jリーグで修羅場を経験した男達の精神力は、
私の想像をはるかに超えていたようです。


前半は0−2のスコアが示すとおりボロボロ。
しかし、後半はボランチの筒井(復帰戦)投入により、
少しずつ徳島のペースだったとの事。
しかし今絶好調の鳥栖GK、シュナイダー潤之介などの堅守により、何度も攻撃が阻まれる。
自分が携帯の速報を見た時はこんな状況だったそうです。


しかし、後半小林に変えて投入したFW18 羽地がやってくれました。
キャプテン谷池か大島に放り込んだボールを折り返し、羽地が左足でゴールに叩き込む。
移籍後初ゴール。徳島のタワー、覚醒す。


しかし、このままだと「健闘したけど、勝てなかったね。」で終わってしまう。
2点は無理でも、せめてあと1点。そうすれば勝ち点1が手に入る。
しかし残り時間はあと3分+ロスタイム…。


待ち望んだ追加点、それは、鳥栖ゴールを揺らしてから1分ちょっと後に訪れた。


「せめてあと1点。」
その気持ちはサポーターだけでなく、きっと選手達も同じ。
そしてその気持ちが、そっぽを向いていた勝利の女神の気持ちを変えさせたに違いない。


これまで安定した守備を見せていたシュナイダー潤之介
残り1分で守備との連携ミスが出る。
パンチングで防いだはずのボールはMF11 片岡の目の前に転がる。
一体誰が発しただろうか、「ダイレクト!」
その言葉に呼応するかのように、ダイレクトシュートを無人のゴールネットに叩き込む。


この瞬間、5000人超の鳴門陸上競技場の徳島サポーターの祈りは、
“絶叫”という形で昇華された。


今度こそ「あと1点」。
その後も徳島は「あと1点」を目指して攻め込むが、試合終了。
ホーム初勝利はならなかったが、敗色濃厚の状況から追いついての引き分け。
試合終了後、崩れ落ちる鳥栖イレブン。
勝てるはずだった試合を落とした鳥栖のショックは計り知れない。


苦言から言えば、やはりDFの安定性が足りないように感じる。
失点はいずれもセットプレー。やはりJ2はJFL以上に攻撃が激しい。
それを考えると、JFLで最小失点を誇った守備とはいえ、
守備は今後の課題でしょう。
逆にこれができれば、徳島はもっともっと強くなれると感じます。


良かった点、チームとしての諦めない気持ちが見られたこと。
とかく新規参入のチームが陥りやすいのは“壁”にぶつかった時に意気消沈し、
そこからズルズルとチーム状態が悪くなる。そのスパイラル。
少なくとも第2節、今回の第4節のホーム2試合ではそれを打ち破っていた。
負けこそしたが、失点してもしぶとく追いついた第2節、
勝利には繋がらなかったが、残り10分を切って絶望的な2点差を追いついた今回。
チームとしての精神的な強さを見ることができたと思う。


さぁ次節はザスパ草津との対戦。
“飢える狼”は、がむしゃらに“勝利”を獲るために、選手・サポーター共々
全力で襲い掛かってくるはず。こういう試合だから気を引き締めて欲しい。
敷島でのザスパは強い。それはJFLでも味わったはずだから。