徳島の持ち味は「ボールが速く動くサッカー」

チームデータの8角形を見ると、徳島はまだまだJ2の平均に
届いていません。
特にディフェンス面。タックルとクリアは大きく平均を下回ってました。
第2クール中盤にディフェンスが安定していない時期がありましたが、
これがタックルとクリアの低さに如実に現れています。


個別に見ると、タックル、クリア、ブロックがリーグ11位、
インターセプト10位と、いずれもリーグ最低レベル。
他のチームと違う3バック戦術を採っているのが原因でしょうか。


そんな中、セーブ数がリーグ3位、タックル成功率が2位と上位にいますが、
この個別ランキングを見る限り、
セーブ数の高さはそれだけ多くのシュートを打たれていると考えられますし、
タックルの成功率はタックル数が少ない分多く見積もられていると考えられます。
ここから見ると、徳島がこの時期に引き分けが多く勝ちきれなかった理由が
守備の脆さにあると考えられます。


一方攻撃面ですが、ゴール数7位、シュート決定率8位、シュート数7位と、
J2平均レベルに達しています。


しかし、これ以上に特筆すべきはパス関連の項目。
チームデータで徳島が唯一J2平均を上回っているのがこの項目なのですが、
個別の項目を見てもパス、パス成功率はJ2で1位。
開幕前の田中真二監督が言っていた
「パスの精度を高め、ボールが速く動くサッカー」
が具現化されている結果であると思います。
そのキーマンとなっているのが、MF17 秋葉です。
パスの出し手/受け手の表を見ると、MF17 秋葉にボールが集まっています。
キープもできて、パスの制度も高いため、ここが攻撃/守備の起点であるといえます。


ただ、パスの精度が高いのは評価できるのですが、不満があるとすれば
“前向きなパス”よりも“後ろ向きのパス”が多い点です。
他の項目を見てみると、キーパス7位、アシスト9位、クロス10位で、
得点に繋がるパスが少ない事が分かります。
特にクロスの10位は、FW18 羽地というポストプレーヤーがいるため、
マークされやすく、その分相手のクロスに対する意識が高い事も考えられるのですが、
プレーエリアを見ると、圧倒的に自陣のプレーエリアが多いため、
このパスの多さは、守備陣でのパス回しによるものではないかと思われます。
8月6日の湘南戦でも、後半2点リードの段階で自陣でのパス回しが目立ちました。
そこを何度か湘南のFWに狙われる場面もあり、
結構ヒヤヒヤしながら見ていた事を思い出しました。


試合結果だけ見れば徳島はJ2初参戦の年によくやっていると思いますが、
このように数字で出たデータを見ると、もっともっと改善できる点はあると思います。
特に守備面、最近は3バックが安定してきたせいか、少し勝てるようになりましたが、
昨年のJFLで徳島の鉄壁の守備を見ていた自分にとっては少し不満があります。
逆に言うと、もっと守備面のレベルが高くなれば、
徳島はもっと勝ち点が稼げたと思います。
攻撃面では“前向きなパス”の量を多くする事が、勝利への第一歩だと思います。


第3クールに入り、少しずつ調子が上向いてきた徳島ですが、
今の順位からもっと上を目指すには、このデータに現れている点の修正は必須で、
これに徳島特有の味付けを加える事が、
徳島がJ2でも遜色ない力を発揮する手段だと思います。


いじょ。