アズーリのエース候補の座を掴んだ男

以前からこのブログを見ている方はお分かりかも知れませんが、
現在フィオレンティーナにいるルカ・トニを以前から注目してました。
一昨年のパレルモ(当時セリエB)への移籍を転機に、
今やアズーリのエース候補にまで上ってきた選手です。


最初に気になったのは、2001年シーズンセリエAの28節、
ブレシア×ペルージャ戦。
(当時は“セリエAダイジェスト”が唯一の情報源でしたが)
“絶対的エース”のR.バッジョを怪我で欠き、
勝ち点も伸び悩んで降格の危機にあったブレシア
この試合、気を吐いたのは当時ブレシアのルカ・トニ。


第一印象は「…デカっ」。
それもそのはず、身長193cm。オランダ人ですかこの人。
しかしそのプレーは身長の高い選手にありがちな
ヘディング一辺倒のプレーではなかったのです。


この選手の持ち味は足技。
ヘディングはヘタでしたが、両足のキープ力が物凄い。
懐にボールを持ったら、相手ディフェンスを背負ってまでもなかなか離さない。
そしてこの試合でルカ・トニはセリエA初のハットトリックを達成。
あまりにもその印象が強く、
その後セリエAを見る上で注目すべき選手となりました。


そして決定的だったのが、
WCCF(2001-2002)を始めた時に買ったスターターパックに彼が入っていた事。
チームがキラと黒で埋め尽くされても、彼はずっとチームにいました。
それだけ思い入れの強い選手に変わっていたのです。


その後、2002-2003シーズンは怪我もあり不本意なシーズンを送り、
オフシーズンには当時セリエBパレルモに移籍しました。
移籍のニュースを見た時はショックでした。なんで今更セリエBに…。


ところがこのシーズンは彼にとって転機となったのです。
セリエBでゴールを量産し、シーズン終了するまでに挙げたゴールがなんと30!
確かそれまでのセリエBの記録がマルコ・フェランテの28。
試合数が多かったせいもありますが、セリエB新記録を打ち立てました。
(ちなみに、当時のセリエB得点ランク2位がC.ルカレッリの29)
この活躍もあり、パレルモは34年ぶりにセリエAに昇格します。


セリエA再チャレンジの2004-2005シーズン。
シーズン開幕前、信じられない事態が起こります。
なんとイタリア代表監督に就任したばかりのリッピ監督が、
ルカ・トニを召集したのです。
EURO2004でスター選手を集めながら予選リーグで敗退したアズーリ
その後を受けたリッピ監督の方針は、“チームに関係なく多くの選手を試す”。
その第一号がルカ・トニだったと言っても過言ではありません。


そして迎えたW杯ヨーロッパ予選 グループ5の初戦、ノルウェー戦。
開始直後にノルウェーに先制点を決められ、またその直後に点を取り返す試合。
膠着状態の中、後半途中にルカ・トニ登場。
出てきたルカ・トニは積極的にボールに絡み、その結果、
決勝ゴールとなるアズーリ初ゴールを挙げたのです。
(この試合は2-1でイタリアが勝利)


その後もコンスタントに代表召集されるルカ・トニ。
“代表召集”というモチベーションを手に入れてから、さらに強くなった感が。
これまで苦手だったヘディングでのシュートが上手くなり、
さらにボールキープ力、足元の巧さにもさらに磨きがかかり、
コリーニと並んでチームの中心としてチームを牽引しました。
その結果、パレルモはシーズン6位となり、UEFA杯出場権を手に入れます。


そして、今シーズンオフのカルチョメルカートフィオレンティーナに移籍。
クラブ、代表とも絶好調の状態です。
それにしてもセリエA12試合で15得点って…いい壊れっぷりです。
今日もミラン相手に2得点決めてますし。